国防議論 2015 7 20

 国防をめぐる議論で、
時々、「専守防衛」という言葉を聞きますが、
はたして、その言葉をよく理解して使っているか、
大いに疑問があります。
 私は、「専守防衛」というと、スイスを連想します。
スイスは、国民皆兵制を採用していますので、
基本的に、スイス国民の男性は、全員兵士です。
各家庭には、自動小銃が配布されています。
 なぜ、スイスは、ここまで徹底するのかというと、
それには、理由があるのです。
 「専守防衛」の重要なポイントは、
相手国に「この国に攻め込んだら損をする」と思わせる必要があるからです。
だから、スイスは、徹底的な武装中立をしているのです。
 さて、これで、スイスは、万全か。
いや、違うのです。
 長期戦に持ち込まれたら、
スイスのように国土の小さな国は、滅びるのです。
 そもそも、「専守防衛」という戦法は、
中国やロシアといった国土が広い国で有効な戦法です。
この戦法は、国土が広いからこそ、有効な戦法です。
 ひたすら守って守って、敵を内陸部の深くまで引き込んでから、
補給線が伸びたところで、敵を殲滅させる戦法です。
 日本は国土が狭く、さらに細長いので、
このような戦法を採用したら、自滅です。
 基本的には、日本のような国は、
日露戦争の時のように、
敵を日本の本土に近づけないような作戦が必要です。
 そうは言っても、現在の国際情勢では、
日本一国で、国土を守りきることはできないでしょう。
 北朝鮮というと、弾道ミサイルや核兵器を連想しますが、
実は、化学兵器大国でもあります。
北朝鮮は、アメリカ、ロシアに次ぐ化学兵器大国です。
 次に、中国について書きますが、
昔の中国は、人海戦術が唯一の攻撃手段だったのです。
 これならば、特に気にする必要はなかったのですが、
今は、米軍並みのハイテク装備になってしまいました。
 こういう現状では、日本は、
自力で国土を守り抜くことは不可能です。
 だからこそ、私は、「アメリカを巻き込め」と言っているのです。
日本は、あの手この手で、アメリカを巻き込んでおく必要があります。
 もちろん、アメリカには、不満があります。
アメリカ人から見れば、尖閣諸島は、「ただの岩」です。
「そんな岩を守るために、アメリカは戦争に巻き込まれるのか。ひどい話だ」と思っています。
 そういうわけで、日本は、
無理やり、アメリカを日本の防衛に巻き込んでおく必要があるのです。

日本の安全保障 2015 7 18
 最近、集団的自衛権や安全保障をめぐる議論を見ていて、
私は、こう思っています。
「マスコミも国民も、そして政治家も、重大な勘違いをしているのではないか」と。
 アメリカとの集団的自衛権も安全保障協議も、
本来の趣旨は、日本として、
内向きになりつつあるアメリカを何とかして巻き込みたいというものです。
 アメリカは、豊かな国です。
広大な国土、肥沃な大地、豊富な農産物、
人口3億人の巨大市場。
 最近は、シェール革命で、
アメリカは、世界最大の産油国になりました。
 極端なことを言えば、
アメリカは、鎖国をしても、やっていけるのです。
だから、アメリカ国民が、内向きになるのは、自然です。
 第二次世界大戦の時、ヒトラーが欧州大陸で暴れているというのに、
大半のアメリカ人は、「海の向こうの戦争にかかわりたくない」と考えていました。
 当時、イギリスのチャーチル首相は、何とかして、
欧州の戦争に、アメリカを参加させたいと苦労していました。
 しかしながら、アメリカ人の多くが戦争を決意するのは、
アメリカ本土が攻撃された時だけです。
 つまり、アメリカは、
アメリカ本土が攻撃されない限り動かないと思うべきです。
 そうなると、窮地に陥るのが日本です。
日本は、国力に対して、何十年も、防衛力の整備を怠ってきました。
 日本の防衛予算は、GDP比で1%程度です。
国際基準で考えれば、普通の国ならば、GDP比で2%が標準です。
1%程度というのは、中小の国です。
 さあ、日本は、どうする?
防衛予算を増やしたくないならば、
何とかして、アメリカを日本の防衛に巻き込む必要があるのです。
 日本の街角で、集団的自衛権に関して、
「このままでは、外国の戦争に巻き込まれる」と叫んでいる人がいましたが、
ひどい勘違いです。
 それを言いたいのは、アメリカ人です。
アメリカ人から見れば、尖閣諸島は、「ただの岩」です。
「そんな岩を守るために、アメリカは戦争に巻き込まれるのか。ひどい話だ」と思っています。











































































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